2023.04.15.スプリング・コンサート
イースター明けの4月、ようやくかなったウィーンでのコンサート再開です。
この数年にヨーロッパも激変し、気軽に使える会場も制限されてしまった感がありますが、やはり年季の入った建物や楽器、そして数年ぶりの再会に涙ぐみながら聴いてくださるお客さま方に囲まれた演奏会には、特別の感慨があります。
今回はフルートのけいこさんを迎えての4名体制。韓国人バリトン・チュンウーはいろいろな会話のすれ違いから、なぜかカメラマン参加となりました(笑)
懐かしの定番レパートリーも今回のメンバー用にアレンジしなおしたり、毎回少しずつ進化していきます。
そして今回の会場、過去にヘンゼルとグレーテルの公演でも使用した博物館なのですが、前回と違って現代曲も取り入れた今回、なんと、通常88鍵あるはずのピアノの鍵盤が、85しかない!そう、ピアノの鍵盤が88に落ち着いたのは割と最近のことで、ラフマニノフの時代でもまだ85、ベートーヴェンの時代はもっと少なかったようです。
ヨーロッパには古い古い楽器がまだまだ現役でいるところがたくさんあります。
わたしたちが歌ってきた教会でも、わたしが着任した頃はそれはそれは古い、ヴィーナーメカニックと言われる今では廃れた機構を持った、象牙鍵盤も割れ欠けたウォールナット材の装飾ごてごてのグランドピアノを使っていました。もちろん、音もタッチもひどいものではありましたが、それはそれで味があってよかったものです。
(今はベヒシュタインのセカンドライン、ホフマンのピアノが入っています。ウィーンなんだからベーゼンドルファー入れてくれたらよかったのに)
それはさておき、足りない鍵盤分をとっさにアレンジしてさらりとかわしたピアニストえりかちゃん、さすがです。
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